ただひたすらに、自分の好きな飛行機のことを考えていたいという彼女の思いは、わたしの創作への思いと同じものです。
　わたしは、物語や登場人物のことを考えるのが好きです。暇さえあれば、いつまでもそのことを考えています。けれど物語を書いたところで、だれの目にも止まらなかったら、その物語は何の意味もないのでしょうか。わたしのやっていることはすべて無駄になってしまうでしょうか。
　夢を追うというのは、常にそういう不安との戦いだと思います。これから生きてゆくうちに、創作活動をあきらめなければならない日が来るかもしれません。それでも、わたしは書くことが好きだという気持ちだけは忘れないようにしたいです。