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魔法の楽器たち

作中で妖精たちが奏でる楽器を紹介します。一度は見たことあるようなものから、あまり知られていないものまで、いろいろ登場させてみました。

ハーディ・ガーディ

 ローナが持っている楽器です。ハンドルによってホイールが回り、ホイールと弦がこすれて音が出るという、なんともふしぎなもの。はっきりとした音色である一方、少し物悲しく聴こえるところも魅力的です。

 魔法を使うときの呪文は「ハーディ・ガーディ・カンタービレ」。カンタービレは〈歌うように〉という意味の言葉です。

リュラーハープ

 ロレーヌの楽器で、ライアーハープとも呼ばれます。その優しい音色は、聴いているとお母さんのお腹の中にいるような、安らかな気持ちになれるといわれています。

 呪文は「リュラ―・ハープ・アマービレ」。アマービレの意味は〈愛らしく〉。妹のローナと似た言葉にしました。

パンパイプ

 カイの楽器です。ギリシャ神話に出てくる、パンという神がつくったからこの名がついたとされています。カイのモデルとなったピーター・パンも、作品によっては笛を吹くのが得意だったりします。

 呪文は「パンパイプ・パストーソ」。パストーソの意味は〈あたたかみのある〉。おだやかな性格であるカイらしい言葉です。

オカリナ

 マヒナの楽器です。たぶん、この中では最も知られた楽器かと思われます。音を出すのは簡単ですが、曲を吹きこなすのはとても難しい楽器だといわれています。

 呪文は「オカリナ・コン・フォーコ」。コン・フォーコの意味は〈燃えるように、情熱的に〉。マヒナは火の魔法を使える妖精なので、作中では火山の噴火を止めようとしました。

イプヘケ

 妖精の長老、ウルの楽器。イプヘケはハワイの打楽器です。イプとイプヘケという二種類の楽器があり、イプヘケはイプを二つ重ねた見た目をしています。

 呪文は「イプヘケ・コン・アニマ」。コン・アニマの意味は〈魂をこめて、生き生きと〉。ウルはほかの妖精と比べてずっと長生きなので、その魂の強さをあらわしたくてこの呪文にしました。

セルパン

 女王エリザ、もしくは妖精クレーベルの楽器。蛇のようにうねった形をした金管楽器で、その名の由来もまさに〈毒蛇〉。とても低い音が出る、チューバの先駆けとなった楽器です。

 呪文は「セルパン・ドレンテ」。ドレンテの意味は〈痛みや悲しみ〉。音楽におけるドレンテは、主に心や精神の痛みを表すときに使われるようです。