×

不思議な道具たち

ファンタジーといえば、不思議なアイテム! 作中に登場した道具などを紹介します。おとぎ話を元ネタにしているものが多いです。

魔神のランプ

 三楽章、四楽章に登場します。ランプの持ち主の憎しみや恨み、絶望の気持ちを取り込んで、魔神を生み出します。魔神はことばを話し、持ち主の命令に従いますが、ランプが壊れると魔神はただの魔物になってしまいます。

 元ネタは『アラジンと魔法のランプ』より。原作との違いは、『旋律』のランプの魔神は人を傷つける願いしかきいてくれません。

人魚の短剣

 五楽章に登場します。人魚の国の国宝なのに、ルゥルゥが勝手に人間の男の子にあげてしまいました。中心には大きな真珠がついており、真珠の光は、海に沈んでしまった魂の生前の姿を映し出すことができます。しかし、海の中でしか効果がありません。

 元ネタは『人魚姫』より。原作では、人間になった人魚姫が人魚へと戻るために、王子を殺そうと短剣を手にします。けれど結局、そんなことはできなくて、自ら泡となっていったのですね。

金色の羽ペン、黒い雪のインク

 六楽章以降、マリアたちが集めるものたちです。妖精たちの住む〈永遠の地〉へと行くために必要とされています。

 元ネタは特にはありませんが、金色の羽というのは『ジャックと豆の木』に出てくる巨人が金色の卵を産む鶏を飼っているので、そこから色を決めました。まあ、不思議なものって大体輝いてますよね。

星のかけらの天球儀

 七楽章に登場します。魔法オタクの青年、マギーが祖父の研究を継いで作ったもの。星座を繋ぐ星の箇所に星のかけらをはめると、その星座のものが出てきます。役に立ちそうで実際はあまり使いみちがなさそう。

 天球儀を調べてみると、様々な形のものが出てきます。中でも、フェルメールの『天文学者』という絵に描かれた天球儀は、ダントツでお洒落! いつか、あれを部屋に飾りたい……。

七つの星の柄杓

 七楽章シリーズその2。銀色に輝く美しい柄杓です。天球儀の七つの星(北斗七星)を繋ぐとあらわれ、湧き出す水はどんな病も治すことができます。

 元ネタは『七つの星』より。原作の設定をまるまる使っています。似たような話で、グリム童話『星の銀貨』というものもあります。お星さまはいつだって、か弱い女の子を助けてくれますね。

北風と太陽のマント

 七楽章シリーズその3。どんな暑さや寒さも防ぐことができる、最強のマントです。しかし破れてしまうと、ただの布きれそのものになってしまいます。

 名前の元ネタはイソップ寓話『北風と太陽』より。北風と太陽が、どちらが旅人のマントを脱がすことができるか勝負するという、よくわからん話です。じつは突然思いついたネーミングですが、我ながら最高では? と自画自賛した思い出(の割には出番が少ない)。

金色と灰色のあやしい薬

 七楽章シリーズその4(多いな!)。マギーが作った、見るからにあやしい薬です。灰色の薬を飲んだ人の魂が、金色の薬を飲んだ人に宿ります。視界や力の強さなどを共有できます。効果は三日間ほどで、切れるころにお互いそばにいないと永遠に石のままとなります。

 まちがっても、これを使ってよからぬことを企んではいけません。

心を凍らせる雪の結晶

 八楽章に登場します。中心が鏡のようになっており、その人の心の内を映し出します。破片は目や口に入り込むと、その人の心を凍らせ、冷たく残忍な性格に変えてしまいます。

 元ネタは『雪の女王』より。物語の始めに、悪魔が作った鏡の破片が少年カイの目と心臓に刺さります。『旋律』では、自然につくられたものという設定です。毒キノコみたいなもんです(そうなのか?)。

幻を見せるマッチ

 初登場は二楽章、主な登場は九楽章です。マッチを擦った人の望む物や人の幻を映します。幻を見ている途中に現実の世界に引き戻されると、永遠に幻の世界にとらわれてしまいます。逆に、自らの意思で幻を断ち切れたとき、赤い火は白へと変わります。〈永遠の地〉へと行くために必要なもののひとつ。

 元ネタは『マッチ売りの少女』より。アンデルセンは死こそ最高の幸福だと考えていたそうなので、あんな結末を書いたんじゃないかと思います。貧困や流行病に苦しむ時代だったからこそ、なのかな。

永遠の地へと行くための地図

 ロレーヌがローナに託した地図。終楽章で使いました。金色の羽ペンと黒い雪のインク、白い火を集めるとマウロア島に印がつきます。島にある特別な譜面台に置くと、地図は楽譜へと変わります。

 こうして書いてみると、行くだけでもめっちゃ面倒だなマウロア島。しかし何かを集めるっていうのは、いつだって心がワクワクしませんか?